ゴム部品は加硫と呼ぶ工程を行うことで鎖状の分子を接続させて網目状の形を作り出す性質を持ちます。加硫前は鎖状になっているため、強い力が加わると切れてしまったり、潰れてしまったりしますが、この鎖状の分子をそれぞれ繋げて網目状態にすると、伸びたものが元の状態に戻ろうとする性質を与えることができるようになります。分子同士を接続させることを加硫と呼ぶのですが、この反応を起こすためには硫黄と熱量で決まって来ます。硫黄が入っているものを加硫促進剤と呼びますが、これだけでは分子構造を繋げることはできませんので、金型の温度管理が必要になるわけです。
温度管理を行わずに成型を続ければ不良率が高くなる、破棄しなければならないものが大量に発生します。ちなみに、ゴム材料を使って成型を行っている工場には材料を保管するための専用の部屋があります。この部屋の内部も温度管理が行われているのですが、ゴムは高温度の状態になると加硫を始めてしまうため、適切な温度下の中で管理が行われているわけです。分子構造を接続するためには加硫が必要であり、これを行うためには熱を与える必要がありますが、ゴムは熱を与えると劣化することになります。
但し、劣化すると言っても不良品になるわけではなく、材料レベルと比べた時に劣化が起きるなどの意味です。尚、設定温度が高すぎると加硫が進んでしまって軟化による変形が起きる、逆に温度が低いと硬化してしまい亀裂が発生、物性が下がるなど温度管理がとても大切です。
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